文芸

2019年12月30日

緋の天空

光明子と呼ばれた藤原不比等の娘で、初めて藤原氏から皇后となった光明皇后の生涯を追う物語。
藤原氏台頭の初期段階から、それを不満に思う長屋王の変の最中を果敢に駆け抜けながら、聖武天皇を援け、仏教を擁護するとともに、籟病患者や伝染病への治療を施すなど多くの活動をした。
奈良時代の揺れ動く政権の中で、光明皇后は何を思い、何をなしたのか。
結局、不安を抱えたままなのは現代でも変わらず、そういう意味ではしっかりと意志を貫いた人生はまさに光り輝いているように感じた。

緋の天空 (集英社文庫)
葉室 麟
集英社
2017-05-19



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2019年11月10日

もののふの国

「もののふの国」という日本の武士世界を通底させた作品に惹かれて読んでみました。
この国を治めてきた「山族」と「海族」の闘い。
源頼朝、足利尊氏、徳川家康...。
新しい視点という面白さはあったものの、ディテールはやや物足りなかった気がします。
http://www.chuko.co.jp/special/rasen/


もののふの国 (単行本)
天野 純希
中央公論新社
2019-05-08



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紅蓮の女王

初の女帝推古天皇即位の経緯はあまり知らなかった。本書は即位に至るまでの炊屋姫の生き様を描く。
敏達・用明・崇峻という歴代の大王が続く中、仏教を主題に蘇我馬子が政敵物部守屋を打倒し、権力を手にしていく。その最中、美貌の炊屋姫は三輪君逆との激しい恋に身を焦がす。
知られざる古代の女帝の情愛と野望と政治の権謀術数の渦もまた興味深い。




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2019年11月03日

朱鳥の陵

「春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣干したり 天香具山」の万葉歌で有名な持統天皇だが、その謎多き生涯について、これまであまり探求してこなかった。が、本書は夢解きの術をもつ「白妙」が太上天皇となった讃良皇女の心内に潜り込むという体をもって、その生涯を解き明かしていく内容となっていて、複雑な人間関係ではあったが、楽しめた。
一方で、「汝が夢は、朕が夢」という天武天皇をも凌ぐ野心を徐々に出していく讃良皇女はやがて"不老不死の仙薬"をもって次々と謀略を図り、ついには天皇の地位に就く。
古代の最強の女帝という名にふさわしく、また藤原不比等を重用して、新しい藤原京の造成、大宝律令の制定など律令国家の基礎を築いたという点でもやはり類まれな才覚を持っていたというべきなのかもしれない。
女神か、魑魅(おに)か。
驚愕の結末からは冒頭の歌もまた身の毛もよだつと言わざるを得ない。


朱鳥の陵 (集英社文庫)
坂東 眞砂子
集英社
2015-01-20




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2019年10月08日

今ひとたびの、和泉式部

和泉式部 ― 中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。大江雅致の娘。和泉守の橘道貞の妻となり、父の官名と夫の任国とを合わせて「和泉式部」と呼ばれた。

冷泉天皇の第三皇子である弾正宮為尊親王との熱愛が噂され、道貞とは離縁、父からは勘当されてしまう。夜遊びが過ぎた弾正宮為尊親王の死の翌年、その同母弟である帥宮敦道親王との大恋愛に落ちる。この顛末を描いたのが「和泉式部日記」だが、正妻北の方と帥宮は離縁することとなった。皇子との許されぬ身分違いの大恋愛の果て、帥宮もまた早世する。

「昏きより 昏き道にぞ 入りぬべき 遙かに照らせ 山の端の月」

恋、死別の悲しみ、人生の儚さ、それらを歌に託して和泉式部は当代を代表する女歌人として名を馳せ、また男を惑わし、自分自身を癒した。

時の権力者藤原道長をして「浮かれ女」と揶揄されながらも、幾多の恋愛を重ねつつ、一条天皇の中宮彰子に仕え、藤原道長の家司で武勇をもって知られた藤原保昌と再婚した。

現代で言えば、王子と不倫スキャンダルにまみれながら、その弟とは略奪愛の末に子どもを作り、結果として権力者の有能な家臣と再婚して裕福に暮らすというあざとさをもつのだから大炎上は必至だろう。その大胆で奔放な生き様と情熱的な歌の応酬が当時も今もとても魅力的に映る。なんといっても、帥宮とのやりとりは現代から見ても面白い。

「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」
死を前にした和泉式部の想い人とは…。

『和泉式部正集』『和泉式部続集』や、秀歌を選りすぐった『宸翰本和泉式部集』、また『拾遺集』以下、勅撰集に二百四十六首の和歌を採られ、死後初の勅撰集『後拾遺集』では最多入集歌人の名誉を得た。




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2019年09月01日

慈雨

妻と四国遍路の旅に出た元刑事神場。
彼の中に秘められた懺悔の思いと、贖罪とは...。
遍路の最中に発生した新たな事件を追いながら真相に迫っていく。

神場の思い、部下の思い。交錯する夫婦の思いと、実の子ではない娘。
様々に葛藤する人間ドラマは、読者の人生の葛藤をも炙り出すかもしれない。

慈雨 (集英社文庫)
柚月 裕子
集英社
2019-04-19



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2019年07月28日

衰退産業でも稼げます

激しい時代の変化でともすれば取り残され、消えていく運命にある「衰退産業」。しかし、新たな目線で「代替わりイノベーション」を起こした時、再び輝きを取り戻すことも大いにある。
様々な場所、事業形態から著者自身が起業した経験を踏まえて、語られていきます。
そこには果敢に家業に立ち向かう人間たちの物語がありました。




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2019年05月06日

日本人の勝算

日本文化に精通する元ゴールドマンサックス金融調査室長、現小西美術工藝社社長デービッド・アトキンソンが、人口減少×超高齢化に直面する日本に警鐘を鳴らしています。
明治期以降に成長を続けてきた日本にとっては大きなターニングポイントに差し掛かっているといえますが、当の日本は政府もあるいは多くの経営者も視野の狭い範囲でしか物事の対策を考えていない現実が浮かび上がってきます。
ポテンシャルが高く、本来優秀な日本人はこの30年間、生産性を上げることをやめ、経済は低迷し、文化は衰退してきました。
本書は卓越した視座から本音ベースで猪子が語ることでその打開策を打ち出しています。

多くの経営者にとっては耳の痛い話でしょうが、これから迎える大廃業時代に生き残るにはぜひ目を通しておきたい一冊です。

日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義
デービッド アトキンソン
東洋経済新報社
2019-01-11



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2019年01月06日

おもかげ橋

武士の身分を捨て商人となった喜平治と道場を運営する弥市。ともと所属していた藩のいさかいに再び巻き込まれながら、かつて想いを馳せた萩乃を巡って話は展開する。
交錯する想い、届かぬ想い。江戸人情を巧みに描く時代小説。




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2018年11月03日

近江商人の哲学

たねやグループの代表山本昌仁氏の著書。
「三方よし」で知られる近江商人の生きた哲学が詰まっています。
伝統的な和菓子屋でありながら斬新な発想で成長を描き続けるたねやの力の源泉はどこにあるのか。
本書を読むことは二代目以降の事業継承者にとっては自ずと自社への問いかけとなり、事業継続のヒントになることでしょう。




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2018年09月24日

信長はなぜ葬られたのか

これまで数々の信長本があり、本書の著者安倍龍太郎氏も小説があるが、今回は近年解明されてきた国際情勢や朝廷黒幕説等を織り交ぜながら本能寺の変の真実に迫る。
イエズス会の動向が東アジアに与えた影響、とりわけポルトガルがスペインに征服された影響。
あるいは足利義昭が安芸でどのように動いたのか、近衛前久はどう立ち回ったのか。
羽柴秀吉はなぜ中国大返しができたのか。
様々な疑問、突破口の点と点が少しずつ結びついていく。
そういう意味でまだまだ新たな発見のある本でした。




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2018年06月12日

ダブル・ファンタジー

村山由佳の『ダブル・ファンタジー』。衝撃作といわれ、今般映像作品化されることで話題になっているが、思ったよりは衝撃を受けることはなかった。確かにステレオタイプの文学作品として捉えた場合には性に奔放な女性像の繰り返される描写はショッキングかもしれない。しかし、高遠奈津が必然的に堕ちていくその世界はいわば奈津自身の心のありようを映し出したかのようなものであり、その生きざま、相手によって少しずつ異なる対応に、その人間関係が如実に表出されており、表現の妙といえると思う。下手に男性作家が惰性的に描く性交渉とは趣が異なる。
女性脚本家である奈津には悶々とする「女性」の社会での生き方やリアルな夫婦間の溝が詰め込められており、少しずつ開放的になっていくのではあるが、その過程はもどかしくもあり、激しく揺れ動く感情の渦には共感できるところも多い。
作家のインタビューも出ていたが(新刊.jp)、確かに賛否両論だろうが、興味深い作品といえるだろう。

WOWOWドラマ >>> http://www.wowow.co.jp/dramaw/wf/







続編も発刊した模様。

ミルク・アンド・ハニー
村山 由佳
文藝春秋
2018-05-30



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2018年04月30日

乾山晩愁

兄尾形光琳の死後、陶工として一世を風靡した乾山。
「もう一つの修羅」をテーマにほか5編から絵師たちの生き様を描く。

乾山晩愁 (角川文庫)
葉室 麟
角川グループパブリッシング
2008-12-25





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2018年03月25日

世界のなかで自分の役割を見つけること

魂のアーティスト小松美羽の著作。
アートとどのように向き合ってきたのか、それはとりもなおさず自分と向き合い、世界と向き合った結果である。小松美羽にとってそれはまた神に祈ること、魂を捧げることと同義なのかもしれない。
言葉一つひとつから不器用だけれど、真っ直ぐな生き様が浮かび上がり、感銘を受けた。

自分はどれだけ魂と向き合っているのだろうか。

今はカルマと向き合っているかもしれないが、まだまだおざなりにしてしまっている自分を感じた。
自分にとって大切な一冊になりそうだ。




小松美羽 −20代の軌跡− 2004-2014
小松 美羽
KADOKAWA/角川マガジンズ
2014-12-06



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2017年11月22日

ヤクザとオイルマネー

猫組長の対談形式の本書は世界的戦争の火種となってきた石油資源を巡る、金融の罠を描く。
世界を舞台にしたマーケットの動きは難解でありながらも刺激的でした。
仮想通貨の進展は新たなマネーロンダリングの温床になりかねないが、そういったリスクについても議論がある。
下流分野では決して窺い知ることのできないめくるめく世界、これからの展開は未知であり、茨だが、本書から学ぶことも多かったように思う。





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2017年11月01日

信長の二十四時間

誰もが知る「本能寺の変」だが、謎が多いのも事実だった。
黒幕は誰か。
誰が騙したのか、誰が騙されたのか。
歴史的にも明智光秀の新たな書状が発見されるなど、まだまだ未知との遭遇は多い。

様々な説が飛び交う中で、本著はかつてない迫力で信長最期の24時間を活写している。
そして、信長の生き様もまた炙りだされる。

信長の二十四時間 (講談社文庫)
富樫 倫太郎
講談社
2017-10-13



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2017年10月22日

琥珀の夢

以前から知りたいと思っていたサントリーの歴史が小説『琥珀の夢』という形で実現。
伊集院静り「琥珀の夢」はサントリーの前身「寿屋」の創業者である鳥井信治郎の一生を描く。
両替商から米穀商に転じた鳥井商店の次男に生まれた信治郎は丁稚奉公時代から描くそのすべてを活かしてきたのだと実感できる。
卓越した味覚と商魂を武器に、無謀とも思える国内ウィスキー製造をやってのけていくのは並大抵の辛苦ではなかった。しかし、多くは挫折することをやり抜いたのが鳥井信治郎であり、それこそがサントリーの礎になっているのだろう。

印象深かったのは関東大震災で罹災した東京日本橋の販売店を見舞うシーンであり、救援物資はもちろんだったが、売掛伝票を破り捨てた上で、なお「赤玉」を納品しているところだった。

戦前から戦後を走り抜けた生き様は従業員を家族と思う経営姿勢からも、どこか出光佐三思い出すが、大阪船場から立ち上がった商人像は現代社会にあっても大きな存在感をもっている。

現会長佐治信忠がジム・ビームを巨額を投じて買収、非上場企業ながら躍進を続けつつ、プロ社長を招聘して次代につなごうとするところからも今後が注目される。

サントリー公式






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2017年09月10日

たった一人の熱狂

幻冬舎代表取締役社長見城徹が、その熱狂な人生から吐き出した55の力強い言葉が綴られている。

「スマートであること」に憑りつかれた現代社会はずいぶん醒めた時代になってしまったが、こういう熱い人間は好きだ。これからはAIの時代が来るというが、ならば人間は何をするというのだろう。
「熱狂しなかったら、生きている意味がない」というが、まさしくその通りだろう。

自分自身もまた社会人になってから10年間は熱狂から遠ざかってしまった。
言い訳に過ぎないが、熱狂を取り戻すまでにはもう少し時間がかかりそうだ。

特別収録の中で、アフリカに伝わる言葉として次のような引用がある。
「君がなんとなく生きた今日は、昨日死んでいった人達が、どうしても生きたかった大切な日だ。」
まとめにはぴったりかもしれない。

本書はキレイゴトなんかではなくて、ズバズバ斬りこむように攻めたてる本で、すごくよかった。




karnak at 23:21コメント(0) 

海鳴り

藤沢周平記念館でいろいろ見ていて気になったので読んでみました。

仲買から成り上がった紙問屋小野屋の旦那新兵衛はひょんなところから丸子屋のおかみ「おこう」と知り合う。
今で言えばダブル不倫だが、当時は密通罪に問われる時代だ。
商売のこと、家族のことで様々な問題が降りかかる中、新兵衛は戻れぬところまで来てしまう。
魔が差したのか、命を懸けた純愛なのか。

新兵衛のモノローグからは現代にも通じる"仕事と家族"のバランス、己の人生の先々について考えさせられるものだ。

訥々と、しかし確かな筆致に江戸風情が彩られた時代小説、市井の物語として興味深く読めた。




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2017年07月03日

未来の年表

話題になりつつある本書「未来の年表」。
刻々と迫る人口減少社会の現実を未来年表に炙りだしていきます。
例えば「2024年 全国民の3分の1が65歳以上」。
衝撃的ですね。しかもそんなに遠い話ではない。
縮小していく社会は、経済成長を続けてきた今までとはまったく違う未知の世界だ。
常識の通用しないその有り様を本書は示唆してくれる。




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2017年07月01日

神社めぐりをしていたらエルサレムに立っていた

タレント本かもしれないが、内容はすごくいい。
タイトル「神社めぐりをしていたらエルサレムに立っていた」がまず至言だと思います。
日ユ同祖論については異論もあるでしょうが、古代史、日本人のルーツを探れば必ずぶち当たります。実際ヘブライ語を語源とするであろう日本語も数知れず、神社絡みの儀式にはその痕跡があります。
ムー関連書籍に深堀されたものがあるが、本書では少しずつ触れながら日本に残された「失われた十氏族」の痕跡とそのルーツである聖地を結ぶ旅を流暢に描いています。
いつかエルサレムへ、そう思わせる一冊でした。







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2017年05月03日

社長室の冬

日本新報の南は記者職から追われ、社長室で新里新社長と身売りに奔走。元新報社員だったAMCジャパンの青井社長はアメリカ本社の指令を受けて新報買収交渉を進める。
新聞とWEB配信という新旧の闘いでもあった。
経営危機に瀕した新報は身売りに将来をかけるが...。
ステークホルダーそれぞれの思いが交錯し、結局は日本人らしい帰着点。

メディア業界においても近年、ビジネスモデルの崩壊が叫ばれて久しい。
発行部数をめぐっては業界タブーと言われるくらい「販売店への流通量」で取り繕っている状況が続く。
新聞・ラジオ・テレビ、すべてにおいて広告収入は減少傾向だ。
アメリカにおいても身売りが発生している状況下で、日本でもアナログの需要は減少の一途を辿る。
M&Aか倒産かという究極の選択も遠くない将来、現実のものとなるにちがいない。

社長室の冬
堂場 瞬一
集英社
2016-12-05



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2017年04月23日

大暴落−ガラ−

突如として成立した初の女性総理大臣三崎皓子。
そして、未曽有の困難が次々と立ちはだかる。
東京を襲う大洪水と日本国債の大暴落だ。

臨時国会、所信表面演説の席上、三崎総理が啖呵を切る。
読者は揚げ足取りに躍起になる政治の今を見、ゴシップを追いかけ、国を貶めるマスゴミの今と重ねて溜飲を下げ、あるいは現実に失望するだろう。

全体として足早にストーリーを流してしまったために、読みやすさはあったものの、対峙すべき問題の掘り下げが薄っぺらくなってしまったのには難ありというべきだろうか。

しかし、日本が近い将来直面するだろう危機の重みを考えなければないだろう。

大暴落 ガラ
幸田 真音
中央公論新社
2017-03-08



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2017年04月03日

怪物商人

大倉組を母体とした現在の大成建設をはじめ、東京電力や帝国劇場、帝国ホテルなどの創業を数多く手がけた稀代の実業家、大倉喜八郎を描く。
江戸末期、新発田藩から江戸に出て、乾物屋を営む一介の商人が生死を駆け抜け、時代を駆け抜けた様が活き活き描かれていている。木戸孝允や大久保利通をはじめ、政界との脈をつなぎつつ、戦争とともにのし上がったことから「政商」「死の商人」と批判を浴びたが、国内にとどまらず、台湾・朝鮮・中国・満州とその時々の敵味方を問わず知己を得て商売につなげたのは並大抵のことではない。たとえば孫文の革命運動にも関与しつつ、満州鉄道に連なる鉄道事業にも惜しみなく投資している。

明治維新、戦後、そして現代。いままさに時代を切り拓く人物が求められている。

怪物商人 (PHP文芸文庫)
江上 剛
PHP研究所
2017-01-08



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2016年09月18日

最強の経営者−小説樋口廣太郎

高杉良の最新作は"アサヒビールを再生させた男"樋口廣太郎"を扱う。
住友銀行副頭取に登り詰めた樋口だったが、イトマン融資を巡る会長との意見の対立からか銀行OBが社長となっていたアサヒビールの社長に収まる。そして「夕日」ビールなどと揶揄された同社の立て直しに奔走する。
顧問時代にグループを掌握した樋口は類稀な胆力とリーダーシップを発揮する。スーパードライでヒットを飛ばし、その後の成長の礎を築くと、茨城工場の建設等積極投資を推進した。
その後は日本経済・文化界で要職を歴任。型破りなリーダーとして名を馳せた。

著者らしい語り口が随所にみられるが、著者渾身の作品と樋口へのリスペクトが感じられる内容だった。
樋口が社長を務めた時代からは失われた時代と称されて久しいが、これだけの行動力を持つ人間が今の日本にも望まれているように思う。




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2016年07月30日

架空通貨

人気小説家となった池井戸潤の初期作品。
女子高生麻紀の父が経営する会社が破綻。
女子高生の担任辛島が元信用調査会社出身という設定で物語は展開する。
地域通貨、マネーロンダリング、粉飾決算...。過去の作品と言えども、ホットな設定でスリリングに展開していくストーリーは面白く、引き込まれる。
「担任の先生」が欺瞞に満ちた会社のトップを追い込んでいく様は無理やり感もあるが、それ以上に熱い。

架空通貨 (講談社文庫)
池井戸 潤
講談社
2003-03-15




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2015年07月01日

絶歌

神戸連続児童殺傷事件−ひとつ上、同世代の起こした事件として酒鬼薔薇聖斗の名は鮮烈に記憶されている。
その手記である『絶歌』の出版については賛否両論あるが、この点は”出版”という形が適当であったのか確かに疑問が残る。

しかし、加害者による生々しい告白という点では貴重な文献といっていいだろう。
事件後、紙面に載った「懲役13年」という文章は興味深かったのだが、今回も文学じみた文章の綴りにはある意味では感心させられる。

「少年院」という籠から飛び出して10年。流浪の果てに感じることのできた人間らしさが、罪の重みを感じさせることになったようだ。

「結局どこへ行っても、僕は、僕からは逃げられなかった。」

この感覚は、誰もが逃げることのできない感覚だ。

遺族も、そして加害者も、消えることのない痛みとともに、なお生きていかなければならない。

そして、この本が元少年Aの自己救済のために書かれているという点で、特に被害者側は許しがたいことであろうし、社会通念上も許容できないものだろう。

様々な内省はあるものの、結局突っ切った自我を抑制できずに表面化させてしまうところは、事件当初の性質と変わっていないのではないか。

絶歌
元少年A
太田出版
2015-06-11




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2015年03月06日

溝鼠

幸福な人の人生を破壊することだけが生き甲斐の下衆野郎ばかりが変態の限りを尽くすグロテスクなハードコア・ワールド。
サディストの源治と溝鼠鷹場栄一、ヤクザの宝田と鷹場の姉で宝田の情婦澪。
「氷結する時間。氷結する思考。氷結する心臓。」
己の腕力とカネしか頼みにできない世界で嵌めるか嵌められるか、殺すか殺されるかの死闘を繰り広げる。
あまりにそういった展開が続くとこちらも麻痺してくる。

溝鼠 (徳間文庫)
新堂 冬樹
徳間書店
2006-03



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2015年02月11日

俺たちの読書会 #05

わかっちゃいるけど本を読めない。
そんな俺たちでも1ヶ月に1回、みんなで読むならきっと読める!
「日本で一番ユルい読書会」改め、「俺たちの読書会」です。
今回ファシリテーターはカルナックが務めさせていただきました。

今回の課題本は京セラを創業し、JALを復活させた名経営者稲盛氏の『成功の要諦』。
推薦したお二方が欠席するというアクシデントに見舞われましたが、たぶん今までで一番ゆるくて濃い時間になったように思います(笑)

成功の要諦
稲盛和夫
致知出版社
2014-11-25


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2015年01月18日

人生の目的

「人生とは何か」は生きていく中で必ずぶち当たる。
本書はそうした疑問を抱き、自分の生き方に自信を失いかけている人たちへ語りかけるかのように丁寧に紐解いていく内容である。

結局、人はいろいろなものに縛られて、あるいは縛られていると勘違いして自分自身を見失ってしまっているのでしょうね。

自分も「押し殺したよう」だとよく言われます。
確かに自分を失い続けている感じがしています。

宿命は変えられないけれど、運命は意識を変えれば変えていけるはず。
いま一度自分とよく向き合ってみたいと思います。








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