2006年12月12日

硫黄島からの手紙

クリント・イーストウッド監督による二部作のひとつ、「硫黄島からの手紙」を観てきました。こちらは日本側の視点に立った硫黄島の戦いですね。

公式サイト

ロサンゼルス映画批評家協会賞で最優秀作品賞受賞。

全体に粛々とした重い空気に包まれた映画でした。
非常によかったのは、監督も言ってますが、どちらが悪いとか正義とかっていうのを問題にしていないところですかね。これは映画をはじめ、様々なストーリーが勧善懲悪の立場に立っている中では新鮮でした。
あと、邦画にありがちな“お涙ちょうだい”に走っていないところ。観客に媚びず、戦争の真っ只中の生き死にを「人間」の視点からきっちりと描いていてよかったです。
そして、なによりアメリカ人が日本兵の生き様を真正面から撮ったところですよね。日本人を蔑視していない。米兵はもちろん英語ですが、基本的に全編日本語です。ハリウッド映画としては考えられないことだと思います。

ハリウッドらしく、空爆等の映像も迫力がありました。米国と日本の戦力差は歴然としているので、そこに何とも言えない空しさが漂います。ライフルで一人ひとり撃ってても何とも。米軍の火炎放射器はうーん、やっぱり何とも。
僕としては単純に「戦争はダメだ」とは言いたくないかな。歴史上、数多くの戦争があり、その度に多くの犠牲があったけれど、時として戦争は必要なんだろうと思います。為政者の変革期は必ずといっていいほど戦争がある。正しいとか正しくないという問題ではなく、果し合いがあったからこそ、時代は流れていったんだと思います。
近代以降の戦争は確かに武器も進化し、残酷な殺し合いを現出していますが...。
それでも、戦争はなくならないでしょうね。宗教戦争はいったいいつまで続くのだろう。

硫黄島はゴツゴツした岩肌が剥き出しになっている孤島。連合艦隊が壊滅的な打撃を受け、制海権・制空権も事実上失い、大本営も支援を放棄したために、まさしく“孤島”でした。そこで掘った防空壕は文字通り“墓穴を掘る”行為でした。

硫黄島の戦い(ウィキペディア)
1945年2月19日にアメリカ海兵隊の上陸が開始され、3月26日に日本軍の組織的戦闘は終結した。日本軍は20,933名の守備兵力のうち20,129名が戦死した。アメリカ軍は戦死6,821名、戦傷21,865名の損害を受けた。太平洋戦争後期の島嶼防衛戦において、アメリカ軍地上部隊の損害が日本軍の損害を上回った唯一の戦闘であった。

セブンアンドワイ

食糧は尽き、水もなくなり、弾丸が尽きた戦場で彼らを支えてのは“家族”。「国のため」以前にまず家族の存在があった。手紙は死にいく兵士にとって唯一の支えだったんでしょうね。家族を守るため戦場に赴いた栗林中将が家族のために死を躊躇し、葛藤するシーンは印象的でした。

その戦場では「天皇万歳」が空しく響きます。祖国を守る気持ちは非常に強かったのは事実でしょうが、異様なまでに天皇崇拝に傾いたのは、そうしなければ、指揮系統を維持できなかったということ、兵士たちにとっては自分を偽って死に赴くための手段だったのではないでしょうか。
今回の映画では前々から思っていたそんなこともいろいろ考えさせられました。

平日の午後だけど、結構お客さん入ってましたね。さすがにというか、年配の人が多かったかな。でも、渡辺謙も言ってたけど、もっと若い人たちにも観てもらいたいな(←お前はオヤジか)。
なんかこう、「戦争?はっ?日本って戦争したの?それって関が原の戦い?超ウケるんだけど」という声が聞こえてきそうですが、うーん、やっぱり知っておくべきだと思う。
そうして、風化して忘れさられていくもんだから「戦争のない世界」はずっと夢物語になっちゃうんでしょうね。

karnak at 23:59コメント(0)トラックバック(0) 
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